第1回セミナー:自然共生社会の構築に向けた環境人材育成のあり方

日時
  • 平成22年2月18日(木)
会場
  • 財団法人桜華会館 松の間
    〒460-0001 名古屋市中区三の丸1丁目7番2号
プログラム
  • 14:00~14:05 開会挨拶 環境省
    14:05~14:55 講演 竹本 徳子
    (東北大学大学院生命科学研究科
    生態適応グローバルCOE特任教授)
    『企業と生物多様性の関わり』
    14:55~15:10 環境人材育成 
    コンソーシアム(EcoLeaD)準備会
    の紹介
    森下 研
    (EcoLeaD事務局長)
    『環境人材育成コンソーシアムについて』
    15:10~15:20 休憩
    15:20~15:50 事例報告① 益子 晴光
    ((株)リコー社会環境本部
    環境コミュニケーション推進室長)
    『リコーの環境教育・啓発活動』
    15:50~16:20 事例報告② 増田 達雄
    (名古屋市環境局
    生物多様性企画室長)
    『名古屋市における生物多様性の取組』
    16:20~16:50 意見交換会 企業と生物多様性の関わりなどに関する
    会場全体での意見交換
    16:50~16:55 閉会挨拶等

    (敬称略)

2010年2月18日に、環境人材育成コンソーシアム準備会(以下、EcoLeaD)は、連続セミナー「持続可能な社会の構築に向けた環境人材の在り方」(共催:環境省、EcoLeaD)の一環として、標記セミナー(於:財団法人桜華会館)を開催しました。

まずはじめに、東北大学大学院生命科学研究科生態適応グローバルCOE特任教授の竹本徳子氏より、「企業と生物多様性の関わり」というテーマで基調講演をいただきました。竹本氏は、「企業にとっては、生物多様性にはビジネスリスクとチャンスが潜在する」と指摘した上で、昨今の生物多様性をめぐる企業や政府の動向として、企業による生物多様性に関するガイドラインや方針が打ち出されていること、生物多様性基本法及び民間参画ガイドラインで事業のためのヒントや成功事例が業種別に示されていること、さらに「企業と生物多様性イニシアティブ」として、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する学習、ステークホルダーとの対話、グッドプラクティスなどの情報発信、成果の可視化等に関する研究開発、生物多様性に関する政策提言などの例をご紹介いただきました。また、竹本氏の所属する東北大学生態適応グローバルCOEの教育プログラム及び同プログラムが行っている産学官民連携の取組として、環境機関コンソーシアムを紹介されました。
続いて、環境人材育成コンソーシアム準備会事務局長の森下研より、EcoLeaDの紹介を行いました。EcoLeaDについて、これまでの経緯や事業概要、今年度の成果物として検討中の2つの教育ガイドライン(2009年度 試案)について、説明しました。

次に、自然共生社会の構築に向けた取組の事例として、株式会社リコー社会環境本部環境コミュニケーション推進室長の益子晴光氏より、「リコーの環境教育・啓発活動」についてご発表いただきました。益子氏からは、同社の生物多様性保全活動として、環境負荷削減活動と、「地球を元気にする」ための生物多様性保全活動が紹介されました。また、社内においては、「グローバル・エコアクション」やEMSによる社員の環境配慮行動の普及、全社員に向けたeラーニングによる環境教育、環境ボランティアリーダー養成プログラムなど、環境への意識付け及び知識の習得を目的とした教育プログラムを行っているとのことでした。

引き続き、名古屋市環境局生物多様性企画室長の増田達雄氏より、「名古屋市における生物多様性の取組」についてのご発表いただきました。まず、名古屋市の生物多様性への取組として、「生物多様性なごや戦略」について説明がなされました。この戦略は、「生き物と共存する持続可能な都市なごや」を目指し、その実現に向けた指針として策定され、市民の生物多様性に対する理解を深めることを目的としたもので、身近な自然の保全・再生に加えて、都市の中の生活スタイルや企業のビジネススタイルの転換について市民の理解を喚起する内容であり、2050年のビジョンと4つの戦略を含む全5章で構成されています。また、企業に対しては、生態系サービス保護のための活動への期待が表明されました。

その後、講演者と会場との意見交換会がなされました。パネリストに対して、各機関で生物多様性への取組をする中での苦労について質問がされました。大学では、環境意識の高い学生が育つ一方、環境就職が少ないことが課題として挙げられました。企業からは、企業活動の中での環境への取組に関しては、社内での理解を得ながら、継続的に取組を推進していくことが重要であるとの意見が出されました。また、会場からは、EcoLeaDの活動にESDという観点を取り入れているかについて、質問がなされました。これに対し、事務局からは、EcoLeaDの活動の中では、持続可能性を含めた広い概念として「環境」を捉え、ESDの関係機関との連携については、今後、社会全体の目標を見据えた上で進めていきたいとの回答がありました。