第3回セミナー:低炭素社会の構築に向けた環境人材育成のあり方

日時
  • 平成22年3月1日(月)
会場
  • 中央大学駿河台記念館 670室
       〒101-8324 千代田区神田駿河台3丁目11番5号
プログラム
  • 14:00~14:05 開会挨拶 環境省
    14:05~14:55 講演 植田 和弘
    (京都大学経済学部・大学院経済学研究科地球環境学堂教授)
    『低炭素社会と人材育成』
    14:55~15:10 環境人材育成
    コンソーシアム(EcoLeaD)
    準備会の紹介
    西村 美紀子
    (EcoLeaD事務局次長)
    『環境人材育成コンソーシアムについて』
    15:10~15:40 事例報告① 亀井 一行
    (アスクル株式会社環境マネジメント・品質マネジメント 統括部長)
    『低炭素社会の構築に向けた取組と環境人材育成』
    15:40~15:50 休憩
    15:50~16:20 事例報告② 二神 龍太郎
    (キヤノン株式会社
    環境企画センター環境企画部EMS評価第一課課長)
    『環境負荷低減に向けてのキヤノンの環境保証活動―環境人材育成のための環境教育―』
    16:20~16:50 事例報告③ 宮沢 浩司
    (東京都環境局都市地球環境部
    排出量取引担当課長)
    『温室効果ガス排出総量削減義務と
    排出量取引制度について』
    16:50~17:20 意見交換会 低炭素社会の構築に向けた企業の役割と人材育成などに関する場全体での意見交換
    17:20~17:25 閉会挨拶等

    (敬称略)


photo012010年3月1日、環境人材育成コンソーシアム準備会(EcoLeaD)は、連続セミナー「持続可能な社会の構築に向けた環境人材の在り方」(共催:環境省、EcoLeaD)の一環として、標記セミナー(於:中央大学駿河台記念館)を開催しました。

冒頭、環境省環境教育推進室岡本室長の開会挨拶に引き続き、植田和弘氏(京都大学経済学部・大学院経済研究科・地球環境学堂教授)より、「低炭素社会と人材育成」と題する基調講演が行われました。植田氏は、低炭素社会の構築は、単なる節約では実現不可能であり、技術変革やまちづくりの工夫等、創造的取組が不可欠であるとされました。また、CO2削減の取組は、負担や犠牲の発想だけでなく、未来への投資として位置付けるべきであり、解答が直ぐにない問題に挑戦する上で、教育の果たすべき役割を強調されました。環境税や排出量取引制度には、①見える化、②動機付け(費用化)、③公正な費用負担という観点から賛成の立場を示されました。さらに、市場で炭素に価格を付け、グリーンニューディールで社会基盤を整備することで、「ものづくり」や「まちづくり」を変革できるとし、前者では経営者判断、後者ではリーダーの存在とともに、低炭素に限らず高齢者への配慮等、他の要素とリンクして推進することが、成功の鍵であると述べられました。持続可能な社会に求められる人材の資質には、基礎的理論、実証プロジェクトの経験、応用力を挙げられました。

次に、森下研事務局長より、環境人材育成コンソーシアム準備会(EcoLeaD)の活動紹介を行い、環境人材育成の推進に向けて、産学官民による連携・協力を求めました。
引き続き、企業側の事例報告として、亀井一行氏(アスクル株式会社)及び二神龍太郎氏(キャノン株式会社)より、低炭素社会の構築に向けた各社の取組と、環境人材育成の実践報告がありました。亀井氏は、社員に向けたクイズ・レクチャー方式の環境研修の紹介に加えて、サプライチェーンの取引先やエージェントに、エコアクション21の認証取得支援をしている旨、説明されました。二神氏は、キャノンの製品及び生産活動に対する環境保証の考え方、及び対象者別(一般社員、管理職、専任者、海外赴任者)の環境教育プログラムを紹介されました。

photo02また、東京都環境局の宮沢浩司氏より、本年4月、東京都で1400を数える大規模事業所(オフィスビル)を対象に導入予定の、総量削減義務と排出量取引制度に関して、これまでの経緯や欧州の事例と比較した特徴を交えて説明がありました。 本セミナー最終部に催された意見交換会では、環境人材育成コンソーシアム準備会や企業に対して、育成された人材の活用策や、採用の見通しに関する質問が出されました。事務局からは、環境を学ぶことは、企業就業の必要条件であっても必要十分条件ではないという見解を示すとともに、現状では、環境の特定分野に特化した専門家の養成や、それに基づく仕事紹介はしておらず、国内の企業や行政の幅広いポストへの環境人材の採用を目標とする旨が述べられました。また、企業側からは、環境学を修めた新卒学生が、環境部門へ即配属されるケースは稀であるが、他部署での業務経験を積み、それぞれの立場で環境を意識する中で、行動力と全体を俯瞰する力を養うことが、先決であるとの意見が出されました。