第4回セミナー:循環型社会の構築に向けた環境人材育成のあり方

日時
  • 平成22年3月9日(火)
会場
  • 中央大学駿河台記念館 670室
       〒101-8324 千代田区神田駿河台3丁目11番5号
プログラム
  • 15:00~15:05 開会挨拶 環境省
    15:05~15:55 講演 石田 秀輝
    (東北大学大学院環境科学研究科教授)
    『持続可能な社会に求められる企業と人材の役割を考える』
    15:55~16:10 環境人材育成 
    コンソーシアム(EcoLeaD)準備会
    の紹介
    西村 美紀子
    (EcoLeaD事務局次長)
    『環境人材育成コンソーシアムについて』
    16:10~16:20 休憩
    16:20~16:50 事例報告① 熊野 英介
    (アミタホールディングス(株)
    代表取締役会長兼社長)
    『アミタの事業展開と環境人材育成』
    16:50~17:20 事例報告② 白鳥 寿一
    (DOWAエコシステム(株)
    環境ソリューション室長)
    『DOWAの循環型社会構築に向けた取組と環境人材育成』
    17:20~17:50 意見交換会 循環型社会の構築に向けた企業の役割と
    人材育成などに関する会場全体での意見交換
    17:50~17:55 閉会挨拶等

    (敬称略)

photo012010年3月9日、環境人材育成コンソーシアム準備会(EcoLeaD)は、連続セミナー「持続可能な社会の構築に向けた環境人材の在り方」(共催:環境省、EcoLeaD)の一環として、標記セミナー(於:中央大学駿河台記念館)を開催しました。

冒頭、環境省環境教育推進室香具室長補佐の開会挨拶に引き続き、石田秀輝氏(東北大学大学院環境科学研究科教授)より、「持続可能な社会に求められる企業と人材の役割を考える」と題する基調講演が行われました。石田氏は、環境人材とは特別な人材でなく、今後、企業に求められる人材であると定義した上で、地球環境問題を経営に入れた途端、技術戦略と環境戦略のジレンマが起こる点を指摘しました。また、あらゆる企業によるエコ商品開発や、生活者の環境意識の高まりにも関わらず、家庭によるエネルギー消費が下がらない現状に触れ、環境問題の元凶ともなり得るテクノロジーの役割として、人々のライフスタイル変革の提案を挙げました。環境経営人材に求められる要件としては、①ステークホルダーとの新しい関わり方への気付き、②持続可能なものつくりや暮らし方に関する認識(物欲から精神欲へ)、③バックキャストによる構想をフォーキャストでビジネス化(例:ネーチャーテクノロジー)を指摘し、これらの問題意識のもと、2005年に東北大学に設立した「高度環境政策技術マネジメント人材養成ユニット(SEMSaT)」の教育内容を紹介し、今後の課題として、学生の成果の定量的測定、教員のためのビジネス実践研修、アジア地域の開発途上国との関わり方を述べられました。

次に、森下研事務局長より、環境人材育成コンソーシアム準備会(EcoLeaD)の活動紹介を行い、環境人材育成の推進に向けて、産学官民による連携・協力を求めました。
引き続き、循環型社会の構築に向けた企業の取組として、熊野英介氏(アミタホールディングス株式会社)、及び白鳥寿一氏(DOWAエコシステム株式会社)より、自社における事例紹介がありました。熊野氏は、エコロジカルな商品の大量生産や売れ残りに疑問を呈され、精神的飢餓の原因でもある孤独を追放する社会的ニーズを指摘され、記憶や共感を重視したサステイナブル・デザインの必要性を提唱されました。白鳥氏は、有害物質の管理等を通じた、産業の静脈的役割を担うDOWAの活動を紹介し、同社による小中高での授業や、大学への寄付講座の設置及び社員派遣等について報告されました。

photo02本セミナー最終部に催された意見交換会では、企業側から環境学を施す大学教育に対する要望として、臨機応変に対応できる実践力及び人間力の不足が、共通課題に挙げられました。これらの欠落部分を座学のみで習得することは限界があり、失敗体験を含めた実践体験の重要性が強調されました。具体例として、環境をテーマにした大学と企業によるインターンシップの協働や、地域・行政・高齢者等を巻き込んだ、学生に個別に対応する仕組作りへ期待が示されました。環境を修めた学生の採用については、一部の企業によるエントリーシートの選別段階での拒絶反応が報告されましたが、採用に関わる判断基準は、企業や部門毎に異なる中、環境の専門性をアピールするだけでなく、それを使って何をするかという独創性、構想力、改善に向けた突破力等に関心を示す、企業側の意見が多数出されました。