第5回シンポジウム:21世紀の環境経営を担う環境人材の育成に向けて


日時
  • 平成22年3月19日(金)
会場
  • 中央大学駿河台記念館 280室
       〒101-8324 千代田区神田駿河台3丁目11番5号
プログラム
  • 13:00~13:05 開会挨拶 環境省
    13:05~13:30 環境人材育成
    コンソーシアム(EcoLeaD)
    準備会の紹介
    EcoLeaD事務局
    『環境人材育成コンソーシアムについて』
    13:30~14:30 基調講演 安井 至
    (独立行政法人製品評価技術基盤機構理事長/EcoLeaD代表幹事)
    14:30~14:40 休憩
    14:40~15:10 講演① 樋口 一清
    (信州大学イノベーション研究・支援センター長/
    経営大学院教授)
    『グリーンMOT(技術経営)教育プログラムの推進』
    15:10~15:40 講演② 中川 光弘
    (茨城大学農学部地域環境科学科教授)
    『持続可能性(サステナビリティ)を担う
    地域リーダー育成プログラム』
    15:40~16:10 事例報告 藤井 暢純
    (サンデン株式会社技術本部長)
    『サンデンにおける環境教育を担う人材育成』
    16:10~16:20 休憩
    16:20~17:20 パネル
    ディスカッション
    『環境経営を担う環境人材育成コンソーシアム準備会事務局リーダー育成の現状と課題』
    17:20~17:25 閉会挨拶等
    17:30~18:30 懇親会

    (敬称略)

2010年3月19日、環境人材育成コンソーシアム準備会(EcoLeaD)は、連続セミナー「持続可能な社会の構築に向けた環境人材の在り方」(共催:環境省、EcoLeaD)の一環として、標記シンポジウム(於:中央大学駿河台記念館)を開催しました。

冒頭、環境省環境教育推進室岡本室長の開会挨拶に引き続き、安井至氏(独立行政法人製品評価技術基盤機構理事長)より、「環境リーダーの育成に向けて」と題する基調講演が行われました。安井氏は、これまで環境問題は、健康被害への対応など「問題解決型」とされてきたが、より良い社会を描き、それに向かい行動することが、環境リーダーに求められると述べました。環境リーダーの条件として、①原則を正しく理解した上での議論、②未来への予測へと繋げる解析スキル、③新しいコンセプトの創出、④及び⑤解決シナリオを作るスキルと行動力、⑥ネットワーク形成を挙げました。特に、産業革命以降、化石燃料に依存した格差社会の出現を例に、「大きな流れで見る原則」の重要性を指摘され、また、「リスクで見る原則」として、本来自発的に冒す危険を意味するリスクだが、近年、挑戦しないでも生きられる社会を理想とした結果、結果平等の風潮が強まり、社会より個を優先する価値観の変化に触れられました。その意味でも、国際貢献に携わる視点は、利己主義から利他主義への気付きとして貴重な経験となり得るとの見解を示されました。
次に、EcoLeaD事務局より、環境人材育成コンソーシアム準備会(EcoLeaD)の活動紹介がなされ、環境人材育成の推進に向けて、産学官民による連携・協力を求めました。
引き続き、環境省の「環境人材育成プログラム」の採択事業である信州大学及び茨城大学の各取組についてご講演いただきました。樋口一清教授(信州大学)からは、長野県のものづくり中小企業の現状として、サプライチェーンや大企業のグリーン化による環境対応を迫られる中で、人材不足が課題である点を指摘し、これらの解消を目的に開発した「グリーンMOT教育プログラム(ジョイント・ディグリー制度等)の紹介がありました。中川光弘教授(茨城大学)は、「合成の誤謬」及び「生命の全一性の分断化」という2つのキーワードから、21世紀の問題群を指摘し、「心・技・知」のバランスを考慮して開発した「サステイナビリティ学教育プログラム」(大学院修士課程の副専攻)の紹介をされました。 

photo02企業側の事例報告として、藤井暢純氏(サンデン株式会社)より、熱マネジメントを基軸としたサンデンの環境技術及び環境製品開発、「サンデン環境みらい財団」による環境教育活動、また、社員へのeco検定試験の受験奨励等の具体的な取組について、ご報告をいただきました。
最後に催されたパネルディスカッションでは、シンポジウム講演者に加えて、環境省の三好信俊審議官が登壇され、環境人材育成の在り方について議論を続けました。先ず、企業の採用時のポイントとしてコミュニケーション能力や積極性を評価するが、様々なフィルターで採用面接をする際、横串の広い環境では判断しにくいという意見が出されました。一方、環境を学ぶメリットとしては、座学による知識の習得に止まらず、スキルや態度が養われやすい点、また、環境やサステイナビリティというテーマに関心を持つ学生は、元々、利他的な性質がある点等が挙げられました。さらに、本連続セミナーを締めくくる包括的意見として、環境人材育成では、人材を育成し企業に送り込むのが目的ではなく、そのような人材が必要とされる社会を構築することが必要との意見が出されました。「環境を語ることは希望を語ること」とのビジョンとともに、個々の力を合わせて社会変革を推進する産学連携の試みの場として、本コンソーシアムへの期待が寄せられました。