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「環境人材育成コンソーシアム」とは

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石川県立大学大学院 生物資源環境学研究科 環境科学専攻

更新日 2012-04-17

教育研究の理念

 地球的規模で起こる変化に対応して人類の安定した存続・持続的社会を構築していくには、そのベースとして、まず、人間が自然を改造する価値観から、人間が自然と共生・共存する新しい価値観を創造していく必要があることが浮かびあがってきます。また、それらを支える科学技術は、科学技術一辺倒でなく、人間性のこもった科学技術、昔の言葉でいえば、道理でなければならないことも明らかです。このことを「理(ことわり)」 とよび、人間と自然が共生・共存する価値観を「共生・共存の理」で創造します。

 石川県立大学は生物資源環境学の中で、「共生・共存の理」を極めるための教育研究を目標とし、自然の仕組みと生物の営みの双方から、生物の存続・持続、生物の多様性をテーマに「生物の理」を、資源の有限性、循環、環境容量をテーマに「自然の理」を、環境と人類の調和、食の安全・安心の社会システムの構築をテーマに 「人間の理」を追求していきます。

3つの理は独立したものではなく、互いに重なる部分もあります。そしてこの学術は、これらの「理」の総合的理解の上で、人類の安定した存続・持続を目指すための、「共生・共存の理」を明らかとするという基本理念を持った学術です。その目指すところは、「生態系とのバランスの取れた生物生産、環境保全、食料増産」に関わる研究教育の創成です。これにより、従来の教育研究システムでは到達し得なかった、多面的な次元での新しい生物資源環境学的考え方を提示することができるのです。 

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教育研究の目標

 基本理念を具現化する、すなわち、科学技術の進歩の著しい現在、地域社会や企業の中長期的な成長、発展、変革を担うことのできる資質を備え、かつ知的財産を生み、育てることのできる人材を養成し、今後益々要請される社会貢献、産学連携による地域貢献を行うために、新たな生物資源環境学の展開および高度専門教育研究を行う大学院生物資源環境学研究科を設置することとし、次の教育研究目標を掲げます。

 (1)学術研究を通じて「共生・共存の理」の精神を理解し、幅広い視野、
   豊かな創造力、先進的な知識と先端技術ならびに行動力を備えた
   有為な人材の養成。  (人的財産の育成)
 (2)生命、環境、食料等の問題解決のための高度な学術研究の展開。
                 (知的財産の創造と集積)
 (3)産学官の連携による地域産業の持続的発展に貢献。
                 (知的財産の具現化)
 (4)社会人教育の提供、地域社会への発信、それを踏まえた国際的な
   研究教育の展開。   (人的・知的財産の普及)

 
■この情報の掲載元
http://www.ishikawa-pu.ac.jp/graduate_school/index.html
 
 
博士前期課程
 
環境科学専攻
 人間活動の結果として悪化しつつある自然環境の保全と修復を図り、自然と人間が共生・共存した、安心・安全で潤いのある地域社会を実現することを目的とした教育研究を行い、この分野の進展に貢献する有為な人材を育成するとともに、この分野の問題解決のための高度な学術研究を展開することを目標とします。

 自然と人間が共生・共存した持続可能な地域社会を実現するためには、科学技術が極度に発達し多様な人間関係を有する現代にあっては、幅広い視野と豊かな創造力、自主的な判断力をもって地域社会をリードしうる高度な専門技術者の育成と関連する学術研究の展開、および研究成果の地域社会への還元、普及を図ることが不可欠です。そのため博士前期課程では、環境に関わる多様な分野の専門家が有機的に連携協力して、土壌圏、水圏、大気圏等の環境に関わる生物、生態学、さらには人間の視点にたって環境や生物生態系と人間活動の関わりを解明できる高度専門技術者を養成します。

 上記の目的を達成するため、環境科学専攻では教育研究の基本単位として以下のような内容の4つの研究領域を設けます。

環境分析研究領域

 農林業地域における環境を構成する土壌、水、大気を対象に、人と自然が共生しうる環境に修復し、その保全に資するため、以下の課題について教育研究を行います。
 農業生態系の物質循環について、土壌成分の炭素・窒素安定同位体比の変動を分析して、難分解性有機物・腐植物質の生成機構を解明し、生物生産と環境の相互関係を明らかにします。健全な水環境の形成に資するため、農林業地域における水循環及び水質動態の機構解明と、大気環境について、北陸地域を中心に気候変動および酸性雨の実態とその制御機構の解明を行います。

生物環境保全研究領域

 豊かな生態環境の形成に資するため、植物、動物、微生物の生態系について、特に、機能的葉寿命の研究、群落総光合成生産の新しい推定法、田園環境における生物多様性の保全とその維持機構の解析、微生物-植物間相互作用の分子生態学的研究などを行うとともに、人間活動と生態系との関わりを解明し、生態系の修復、保全、環境保全のための教育研究を行います。

生産環境管理研究領域

 農地の多面的機能が効果的に発揮される環境の整備と、その管理、保全に資するため、農地からの窒素、リン負荷流出と水質浄化対策、農業農村整備事業における環境配慮手法、農業水利施設の保全管理と防災対策など環境に配慮した生産基盤の整備、保全、管理と水利用、多発する自然災害に対する防災対策を解明し、自然と人とが共生した持続可能な食料生産のための農地環境学について教育研究を行います。

地域環境システム研究領域

 安全で潤いのある活力に満ちた地域社会の形成に資するため、広く都市、農村を含む流域レベルの土地、水等の地域資源の利用と管理、資源循環、並びに気象をはじめとした地域環境情報の収集、解析手法の解明により、過疎高齢化社会に対応した地域環境の創成、 GISによる環境汚染マップの作成と環境保全対策、水系ネットワークにおける生物多様性の保全と希少生物の保全対策など、人と自然が共生した持続可能な地域社会の形成を目的とした教育研究を行います。

  
■この情報の掲載元
http://www.ishikawa-pu.ac.jp/graduate_school/master2.html
  
  
カリキュラム
 
博士前期課程
 
共通科目

  • 科学技術史
  •  近代科学技術の誕生の社会的背景を探求するとともに、科学技術の歴史依存について考察する。また、科学・技術の社会依存性を理解するとともに、科学・技術を評価する視点を培うことを目標とする。
  • 科学技術倫理
  •  食品を含めて日々に生産されている製品は自然と調和し、人間と共生していなければならない。そのためには、科学技術者には自然と社会を理解し、高い倫理観を持つことが求められる。本講義では、科学技術者の社会的責任について論じるとともに、倫理観ある科学技術者が身につけるべき社会性、環境科学技術者としての使命などを取り上げる。
  • 生物資源環境学特論Ⅰ
  •  地球温暖化による世界規模での食料不足、農薬や化学肥料の過剰施用による環境汚染や食の安全性に対する懸念、農業人口の減少に伴う農業後継者不足と地域活力の低下など、人・生物・自然の共生・共存のバランスはかってないほど危うい状況にある。生物の存続・持続、生物の多様性、生態系とのバランスのとれた生物生産について、生産科学専攻各教員が先端的研究に関する講義を行う。 生産科学の立場から見た共生・共存へのアプローチの仕方を把握する。
  • 生物資源環境学特論Ⅱ
  •  前世紀からの科学技術文明を基に市場主義を追求してきた結果、地域環境の破壊・生態系の持続性などに対する多くの課題が起きている。人・生物・自然の共生・共存した持続可能な地域環境を構築するため、これらの相互の特性や機能など、地域環境に関する問題を科学の立場から論じていく。
     環境科学の立場から見た共生・共存へのアプローチの仕方を把握する。
  • 生物資源環境学特論Ⅲ
  •  “人”および食の視点に立って、生物および自然との共生・共存論を意識においた食品科学専攻各教員の先端的研究に関する講義を行う。内容は高度な研究内容を噛み砕いた平易なものとし他専攻よりの受講者への配慮をし、食品科学の広範な基礎知識を修得させる。
     食品科学の立場から見た共生・共存へのアプローチの仕方を把握する。
  • 生物資源環境学特論Ⅳ
  •  「人・生物・自然の共生・共存」について、応用生命科学専攻の教員(教授、准教授、講師)が自らの専門分野との関係、位置づけ、生物資源工学的見地から研究成果の社会的意義について述べるとともに、教員各自の共生・共存論を展開するものである。また、研究成果の社会への応用の際の環境、社会的倫理を含めた規範についても講義する。
  • 生物資源環境地域ビジネス論Ⅰ
  •  過去20年のグローバリゼイションの下で、地域の生物資源環境と社会は衰退の淵に沈んできた。これに対し、ビジネス論的に地域を再興することが重要である。ここでは、経済社会・ビジネスモデルの変遷,地域ビジネスの経済・経営をレビューし、マーケティング、知財・特許、流通などの基礎的な知識を修得するとともに、生物資源環境学を踏まえて創出された新しい科学技術と知について、ビジネス化するための戦略・ノウハウなどを講義する。
  • 生物資源環境地域ビジネス論Ⅱ
  •  生物資源環境に関わる産業は、人にとって基盤的である。人口減少時代に入った我が国が、地方に人が住み続けて豊かな環境を継承発展させていくには、地方に特有の地域資源を深く掘り下げて、成長していく東アジア等の安全志向の消費者ニーズを満たすなど、地方の特色を打ち出して、持続可能な地域経営を営むことが重要である。ここでは、ビジネスの最前線で取り組まれている生物資源環境的課題を学習するとともに、学生自らがビジネスモデルについて考える課題探求型の授業を行う。
 
環境科学専攻
  • 環境科学特別講義Ⅰ
  • 2010年開講予定
  • 環境科学特別講義Ⅱ
  • 2010年開講予定
  • 環境分析学特論
  • 農林業地域の環境を構成する土壌、水、大気を対象に、現状の環境を分析・解析して、人と自然が共生することのできる健全で多様な環境像を論じるとともに、それへの修復及びそれら環境の保全に資するための方法論等を講義する。
  • 生物環境保全学特論
  • 人間活動による環境破壊の増大にともない、危機に瀕している生物環境を保全するための方策を講義する。景観の保全、生態系の保全、生物集団の保全のそれぞれのレベルに応じた講義を行う。
  • 生産環境管理学特論
  • 今日、農地・農業用水・水利施設が一体となり農業生産とそれらが発現する多面的機能が地域に多大な恩恵を与えている。激変する社会環境の中で自然と人間が共生・共存できる健全な生産環境を創出保全するための生産基盤と生産環境の計画・設計・施工・維持管理について講述する。
  • 地域環境システム学特論
  • 人と自然が共生した持続可能な地域社会の形成に資するため、広く都市、農村を含む流域レベルの土地、水等の地域資源の利用と管理や、資源循環に関わる地域環境システムのあり方を論じるとともに、地域環境情報の収集と解析手法、地域環境計画の策定手法、水系ネットワークにおける地域環境の保全と管理手法に関する方法論を講義し、環境管理のあり方を考えさせる。
  • 環境科学演習I
  • 農林業地域の環境を構成する土壌、水、大気を対象に、人と自然が共生することのできる健全で多様な環境の修復と保全に資するため、個々の環境を分析・解析する技術と応用する方法論などについてセミナー形式で演習を行う。
  • 環境科学演習Ⅱ
  • 景観、生態系および生物種とその多様性保全に資するため、景観および生態保全の方法や生物の生活と環境との関わりを分析する技術と応用する方法論について演習を行う。
  • 環境科学演習Ⅲ
  • 自然と人間が共生・共存する健全な生産環境を創出・保全して安心安全な食料の供給を図るため、農地・農業用水・水利施設の生産基盤と生産環境についての計画・設計.施工・管理運営技術についての演習を行う。
  • 環境科学演習Ⅳ
  • 人と自然が共生した持続可能な地域社会の形成に資するため、地域環境情報の収集と解析手法、地域環境計画の策定手法、水系ネットワークにおける地域環境の保全と管理手法について、セミナー形式で演習を行う。受講者は、演習を通し、基本原理を学ぶとともに理論的解析手法、実験手法を習得し実践的応用力の向上を目指す。
  • 環境科学課題研究(研究指導)
  • 修士論文作成のための理論的ならびに実験・調査研究の指導を通して、高度の専門性を持った環境科学の技術者あるいは研究者を養成することを目的とする。学生は環境科学専攻に属する環境分析、生物環境保全、生産環境管理、地域環境システムの4領域に関連した研究テーマを自立的に探索して論文作成まで実験・調査・観測・解析等を行う。指導は手法的なことばかりでなく、技術・研究者としての倫理感、共生論を身につけるように行い、高度の専門的職業人としての礎を築く。
  
■この情報の掲載元
http://www.ishikawa-pu.ac.jp/graduate_school/curriculum.html