相関環境学専攻
人間の未来は、われわれ人間がどのようにして自然と人間の調和的共生を図り、いかにして科学・技術と産業とをこの調和的共生に向けて導いていくかに懸かっている。本専攻は、自然と人間の調和的な共生を可能にする新しい科学・技術のあり方および社会システムのあり方を探求する学、すなわち「相関環境学」を目指すものである。
本専攻では、従来の科学・技術・産業に内在する「開発」の論理を見直し、人類を含めた生態 系全技術のあり方を探求するとともに、自然と人間との共生を図る新しい社会システムのあり方を探求し、関連する諸問題を解決できる人材を育成するための教育研究を行う。
大学院進学を目指す人のために、専攻紹介と入試説明会の案内が掲載されています。
相関環境学専攻の講座 | |
共生社会環境論講座 | 分子・生命環境論講座 |
自然環境動態論講座 | 物質相関論講座 |
育成を目指す人材像
相関環境学専攻では、人間と自然環境の関わりを包括的に理解することを目指した基礎研究を展開するとともに、自然と人間の調和を図るために必要な新しい社会システムの確立に、高度な見識と科学的・論理的判断力をもって貢献することのできる研究者、指導者、実務者の養成を目指す。
- 人間と自然の共生に関する諸問題を、高度な知識と科学的・論理的判断力を持って解決できる研究者、実務者
- 自然科学・理系学問に通暁して、科学的・客観的な判断力を備えた行政官、外交官、ジャーナリスト、研究者
- 環境関連の民間企業や公的研究所の研究者、企画立案者として活躍できる人材
- 地域から地球規模にわたる自然環境問題に通暁し、社会における環境教育や企業での環境保全に配慮した業務を担当できる人材
- 有機・生物資源の持続的有効利用のための変換プロセスや低環境負荷技術を構築する研究開発を担当できる人材
- 物質とエネルギーの機構やダイナミックスについて広い視野を持って先端的研究開発を行う人材
- 未来社会を支える新しい機能性材料の研究開発を行う人材
■この情報の掲載元
http://www.h.kyoto-u.ac.jp/jinkan/information/course/course3_index.php
共生社会環境論講座
持続可能な人間社会の新しい在り方の究明
共有空間(コモンズ)や公共空間などの知見をふまえて新しい社会システムのあり方を究明するとともに、資源・物質・エネルギーを共有資源と考え、その最適な利用法を探究する教育研究を行う。さらに新しい社会システムの持続可能な理想的な姿はどのようにあるべきかという問題を広く哲学的に且つ社会科学的に追求するための研究教育を行う。
■研究分野
共生社会環境論分野
人間と環境の関わりの在り方を社会に関する規範意識、社会意識、社会制度、市場、空間時間、法システムなどの見地から考察する。
■この情報の掲載元
http://www.h.kyoto-u.ac.jp/jinkan/information/course/course3_1.php
分子・生命環境論講座
分子、生命、資源の相関研究
生物資源・有機資源の相関に基づいた諸問題についての教育研究を行う。すなわち、生物が種々の有機資源を効果的に産出する機能やメカニズムを解明するとともに、有機資源の構造や機能を明らかにして、資源の持続的有効利用と有用な物質に変換する低環境負荷技術の開発を探求する。
■研究分野
分子環境相関論分野
有機資源・物質の基盤となる有機分子・物質の持つ構造ならびに機能とその発現のメカニズム、金属や生体との相互作用を講究する。
生命環境相関論分野
生命のエネルギー生産性解析、生物学的破綻因子の特定、放射線リスクの生物学的解析によって、生命環境に相関した諸問題の解明を目指す。
■この情報の掲載元
http://www.h.kyoto-u.ac.jp/jinkan/information/course/course3_2.php
自然環境動態論講座
地球規模の環境変動と自然環境の動的関係、水圏の生態系の考察
地球規模での環境変動と自然環境の動的関わりを、地球表層の構造とそこに生存するウイルスをも含めた生命体の考察から明らかにする。あわせて、水圏における生物の多様性が生態系の安定性に寄与する機構を解明することによって、自然と人間との自立的な関わりの限界特性を明らかにし、自然環境動態の将来予測を行うため方法論と実際を教育研究する。
■研究分野
生物環境動態論分野
生物多様性、生物環境動態、ウイルスの多様性、宿主環境動態を取り上げ、生物の自然史を講究する。
地球環境動態論分野
水圏の環境化学、マグマ活動、地球流体運動、宇宙環境の動態観測と解析を取り上げ、地球環境の動態を講究する。
■この情報の掲載元
http://www.h.kyoto-u.ac.jp/jinkan/information/course/course3_3.php
物質相関論講座
物質・エネルギー間の相互変換メカニズムとその制御法
物質自然界の有効な制御を目的とし、原子分子集合体としての物質における安定構造の決定要因、及び外的刺激による応答のメカニズムを解明すること、すなわち、物質とエネルギーの変換ダイナミックスの解明にとりくむ。これを基礎に、新たな機能を発現する能動的物質の開発・創成のための方法論と実際を教育研究する。
■研究分野
物質物性相関論分野 (物理系)
物質の組成・相構造と物性の相関や、物質とエネルギーの変換メカニズムを解析する。
物質機能相関論分野 (固体材料化学系)
物質機能とそれにかかわる因子を解析し、新素材・新機能性物質の開発を目指す。
■この情報の掲載元
http://www.h.kyoto-u.ac.jp/jinkan/information/course/course3_4.php