教育理念
本研究科は、学部において理学、工学及び人文社会学などそれぞれの基本的思考法と基礎知識とを身に付けた学生を受入れ、「環境学」という横断的に総合化するための方法論と、幅広い知識に裏打ちされた思考力とを身に付けた人材を養成して、社会に送り出すことを大きな教育目標としています。同時に、幅広い学問を修得し、複雑な環境問題を総合的に研究し、地域や世代を超えて「自然一物一人」の調和を保とうとする「持続性学」と、人々の日常の生活の質を保障する環境を作ろうとする「安全安心学」の二つの視点を持ちながら、さまざまな環境問題と新しい学問体系の構築に対処できる人材を養成することも本研究科の重要な責務です。一方、研究科を構成する地球環境科学専攻、都市環境学専攻、社会環境学専攻は、さまざまなディシプリンによって構成され、それぞれの既存の学問分野の継承、すなわち、既存のディシプリンの継承・発展に向けての教育という重責も担っています。さらに、途上国をはじめとする様々な国や地域における環境問題への取組みも本研究科における課題の一つであり、とりわけ深刻化が懸念される発展途上国の環境問題に中核となって取り組む人材養成のために、留学生に対する教育を重視しています。また、一度社会に出て実務を担当する中で、固有の困難な環境問題に遭遇し解決を迫られた経験をもち、環境に関する実務に裏付けられた問題意識を持った杜会人学生に対する教育も積極的に行いたいと考えています。
● アドミッション・ポリシー (学生受入方針)
本研究科は、環境学を支える自然、都市、社会を対象とした伝統的な専門分野を深化させるとともに、専門分野の融合により環境問題解決への道筋を示し、さらに、その成果を専門分野の発展に還元させることを目指します。幅広い環境問題に対応するために、本研究科は、
惑星としての地球とその表層の大気・水圏の性状、動態、変遷を探究する地球環境科学専攻、
都市の社会基盤、建築物などの人工環境を創造し、水・緑・土壌などの自然環境との調和を図る都市環境学専攻、
人間の行動とそれを取り巻く社会環境との関連を考究し、環境政策を提言する社会環境学専攻、
から構成されています。
これらの文理にまたがる専攻間の連携によって、持続可能かつ安全・安心な社会の実現をめざす環境学の研究・教育を実践します。
環境学研究科が育成しようとする人
人類社会の中での自らの役割を見出すことができ、国際的に活躍することができる、次のような人を育成することを目指します。
- 専門分野の創造的推進、環境学の創成を担う人
- 状況が変化したとしても専門的知識を柔軟に応用できる人
- 異分野の成果を統合して環境問題に果敢に取り組む人
地球環境科学専攻は、地球の環境に関する科学的知見の深化を通して社会に貢献できる人材、
都市環境学専攻は、人の視点に立って、毎日の生活の場である建築、都市、あるいは地域における自然環境−人工環境−人間環境の新たな関係を自ら創出できる人材、
社会環境学専攻は、価値規範の妥当性と科学的客観性を備えた政策評価・提言の可能性を追求する人材、あるいは国内外の社会環境政策にかかわる様々な分野の要求に応えることのできる人材、
を育成します。
環境学研究科が求める人
確かな基礎学力をもつ次のような人を、広く日本全国および国外から受け入れます。社会人も歓迎します。
- 専門分野の深化を目指す人
- 横断的な思考力の獲得を志す人
- 環境問題の解決、新たな学問分野の開拓への意欲をもつ人
専門分野および英語の基礎学力とともに、専門知識応用力、横断的思考力、勉学意欲などを評価する試験を行います。留学生や社会人向けの選抜も行います。
● 取得可能な学位
博士課程(前期課程)
専攻名 | 取得可能な学位 | |
地球環境科学 | 修士(環境学) | 修士(理学) |
都市環境学 | 修士(工学) 修士(建築学) | |
社会環境学 | 修士(経済学) 修士(法学) 修士(社会学) 修士(心理学) 修士(地理学) |
http://www.env.nagoya-u.ac.jp/aboutus/outline.html
地球環境科学専攻
地球環境科学専攻では、地球全体を、人類活動を含む一つのシステムとしてとらえた新しい地球環境科学の教育・研究を通して、地球環境問題に関する科学的な知識に基づいて地球環境の観測・評価・診断ができる能力を持った人材の育成を行っています。
- 地球史学講座(博物館・年代測定総合研究センター)※
(※は協力講座)
(※は協力講座)
■この情報の掲載元http://www.env.nagoya-u.ac.jp/earth/index.html
都市環境学専攻
都市環境学専攻では、人間社会を成立させる主要な組織基盤である都市について考えています。都市の空間ストックとそれを支える物質循環を、地球環境の視点から再検討し、生活質の持続的向上のためのテクノロジー、そしてコントロールのシステム(持続性学)を模索しつつ、人の視点に立って、毎日の生活の場である建築・都市・地域における自然環境―人工環境―人間環境の新たな関係(安心・安全学)を創生しています。

- 都市持続発展論講座
- 環境機能物質学講座
- 物質環境構造学講座
- 地圏空間環境学講座
- 地域・都市マネジメント講座
- 環境・安全マネジメント講座
- 建築・環境デザイン講座
- 建築構造システム講座
http://www.env.nagoya-u.ac.jp/design/
社会環境学専攻
社会環境学専攻は、主に人文・社会科学の分野から、人間と自然との共生関係を創り出すために、「造られた環境」としての社会環境の様態と機能を分析し、価値規範の妥当性と科学的客観性を備えた政策評価・提言の可能性を追求するとともに、国内外の社会環境政策にかかわる様々な分野の要求に応えることのできる専門家を養成します。

http://www.env.nagoya-u.ac.jp/society/index.html