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「環境人材育成コンソーシアム」とは

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東北大学大学院 環境科学研究科 環境科学専攻 

更新日 2011-06-02

■理 念

環境科学研究科設置の背景

 近年の大量生産・大量消費という人間活動は、いろいろな新技術や新物質を生み出し、私たちの生活を便利で快適なものにしてきました。しかし、その一方で、自然界の生産・再生・処理能力をはるかに上回る資源・エネルギー消費と大量の廃棄物の発生をもたらし、自然環境の破壊、地球温暖化、生態系の破壊、都市や社会の荒廃などの地球規模の環境問題を引き起こしました。21世紀を迎えて、人類的・地球的危機はいっそう進行しつつあり、我が国の次期科学技術基本計画においても「環境」問題への取り組みは最重点分野の一つとなっています。
  

東北大学ならではの環境科学研究

 21世紀の新しい科学技術には、環境と調和し共存する視点が不可欠であり、これまでの世紀とは異なった方向へのパラダイムシフトが必要です。先端科学技術を有する東北大学が、新しい環境調和型の先端学術を世界に発信し、未来発展型社会構造の構築に果たすべき役割と責務は大きいという使命感の下で、平成15年4月に環境科学研究科が設置されました。
 環境科学研究科は、総合大学である東北大学の「知」を結集し、持続可能な発展をささえる文化と循環社会の基盤となる社会構造を確立し、21世紀の地球的課題に取り組む高度な知識と能力を有する人材を育てるため、以下のことに取り組みます。
  

  ・文系、理系という伝統的区分を越える総合科学としての環境科学の構築

  ・高度かつ総合的な能力を有し、国際社会において活躍できる人材の養成

  ・人間の居住空間の持続可能性を追求する教育・研究

  ・地域的、民族的特性を踏まえ環境問題を多角的に解析する教育・研究

  ・環境と調和したエネルギーシステムを構築する教育・研究

  ・自然と共生できる効率的な物質変換・バイオ技術を創出する教育・研究

  ・循環型の社会を支える新たな資源循環・再生技術を創成する教育・研究

  ・環境共生型の社会構造を確立するために、環境創成計画を企画立案する教育・研究

 
 
■この情報の掲載元
http://www.kankyo.tohoku.ac.jp/rinen.html
 
 
 

■教育目標

 本研究科では、総合大学である東北大学の「知」を結集し,持続可能な発展をささえる文化と循環社会の 基盤となる社会構造を確立するため,文系,理系という伝統的区分を越える総合科学として新たな枠組みの環境科学を構築し, 多様な領域の効果的接近と新たな学問領域を創出することにより,環境問題の解明と解決に関わる幅広い知識と理解力を有しつつ 深い専門性を持ち,国際社会においても活躍できる人材を養成することを教育の目標とします。

 前期課程にあっては,文理一体教育により環境関連の研究を遂行する上で必要な幅広い基礎学力を習得し,研究課題を独自の発想により展開させ,論文としてまとめて学会等にて発表する能力を備えるとともに,広い視野に立って環境問題を捉える俯瞰的な視野と,専門分野における研究や技術・教育指導のための基本的能力を備えた人材,環境政策・地域開発を立案するための素養を備えた人材を育てることを教育目標とします。

 後期課程にあっては,幅広い観点からの社会的要請を視野に入れ研究課題を開拓し,独自の発想からその課題を展開させ,国際水準の論文をまとめて国際会議にて発表する能力を有するとともに,研究経験をもとに関連の環境分野においても主体的に研究を遂行あるいは環境政策や地域開発を提言できるだけでなく,将来とも自己啓発をしながらリーダーとして広い視野に立って国際的視点から研究あるいは環境政策を指導できる人材の育成を教育目標とします。

これらの目標への達成度は, 前期課程においては,

  1. 独自の発想により研究課題を展開させ遂行する能力
  2. 学術論文,技術資料,政策資料,文化資料等の理解度
  3. 国内学会等における研究発表,討論能力
  4. 学術報告の執筆能力
などで評価されます。

後期課程においては,
  1. 環境研究や環境政策等の企画・立案・遂行能力
  2. 学術論文,技術資料,政策資料,文化資料等の調査・分析能力
  3. 国際的に優れた学術論文を執筆するための基礎学力および関連分野の研究評価能力
  4. 国際会議等での論文発表能力
  5. 大学院前期課程の学生に対する研究の補助能力および将来広い視野に立って研究を指導できる幅広い学力
などで評価されます。

従って,学生には,修了時にはそれぞれ上記記載の事項について十分到達し,習得していることが要求されます。

 

■コース編成

本研究科で行われる教育は、下記6つのコースから構成されています。
 

地域環境・社会システム学コース  シラバスはこちら

 今日の環境問題は、国内外の様々な地域において多様な形で現れています。そのような環境問題を解明するためには、諸 地域の地理・生態的環境と社会・文化環境を総合的に理解することが必要です。本コースでは、人と環境との関わりを総 合的視点から解明し、持続可能な発展を支える社会・文化システムの創成に関わる人材を養成します。具体的には、それ ぞれの地域における地理的条件や政治・経済制度、社会と文化、歴史と思想、そしてそれらと自然条件との相互作用を理 解します。また、環境・開発政策がもたらす社会への影響を客観的・批判的に検討する方法を涵養する教育を行います。

 

地球システム・エネルギー学コース  シラバスはこちら

 システムとしての地球環境とその変動のメカニズム、それに関わる地球規模の物質循環やエネルギー循環などのグローバルな 地球環境に関する専門基盤教育を行うとともに、地圏、水圏、気圏からなる地球環境の計測技術、再生可能なクリーンエネルギー の利用技術、環境保全のための地殻システムの設計法などに関する専門教育を行います。地球科学や地球工学に基礎をおいて、 地球環境に適合する社会基盤の構築や地球との共生方法、またその科学的、技術的背景と発展について理解します。グローバル な視点から地球環境を考えるとともに、地域や個別の環境破壊問題に対応できる実践力を身につける教育を行います。

  

環境化学・生態学コース        シラバスはこちら

 環境負荷物質を排出しない化学反応を創製するための分子変換や反応設計に関わる技術、環境負荷物質を化学的・あるい は生物的に無害化処理するための高効率反応、化学物質、化石燃料資源、バイオマスなどを効率的に資源化あるいは再資源 化する技術、環境負荷物質を化学的にモニタリングする技術に関して、物理化学や化学工学的な側面を含めて系統的な教 育を行います。また、生体内での各種化学プロセスや環境と生物機能の関わりを理解し応用するための環境生命・生態学 について教育を行います。

  

物質・材料循環学コース        シラバスはこちら

 工業製品およびその製造プロセスの環境負荷評価、環境に調和する材料製造プロセス、および環境調和型材料の機能発現 に関する総合的な教育を行います。環境負荷評価の教育では、工業製品の製造、使用、廃棄にわたる全ライフサイクルでの 環境負荷を具体的に指し示すライフサイクル評価(LCA)を主に扱い、材料製造プロセスの教育では物質・材料のリサイ クル技術を中心として、現プロセスの問題分析から理想的な環境調和プロセスの設計までを受け持ち、機能材料に関する 教育では、環境保全や新エネルギー創出に重要な役割を果たす材料機能の設計に関する教育を行います。

  

サステイナブル環境学国際コース

 本コースは平成21年度に設置された新しい教育コースであり、主として留学生を対象としています。そのため、講義は全 て英語で行われます。本コースでは、地域諸社会の発展と環境に関する諸問題の複合的な構造を理解し、その解決に向けて、 技術理解力、技術デザイン力、社会構築力および国際性を備え、企画・政策立案で地域の自然資源、生態系の利用者集団、全国 的・国際的NGO/NPO の間の協同管理や調整を担える環境サステナブルディレクターの養成を目指した教育を行います。

  

環境政策技術マネジメントコース

 地球環境問題のグローバル化、複雑化、深刻化に伴い、企業や行政等を取り巻く環境的・社会的制約条件が今大きく変 化しています。このような時代に、経営戦略の策定、環境政策、施策の立案に関し、鳥瞰的な視点を持ち指導的な役割を 果たす人材が不可欠ですが、日本では決定的に不足しています。本コースでは、鳥瞰図的な視座を持ち、トップダウンで ビジネスシステムを描くことができる即実践型人材の育成を目的に効果的なカリキュラムが準備されています。本コース では、今後ますます厳しくなる環境制約の中で、豊富な知見を基盤に最適なソリューションを見出す能力、さらには高度 なマネジメント能力を身につけた人材育成を目指します。

  

科目紹介:環境科学演習

 環境科学研究科では、これまでの座学形式の講義を大きく改変した「環境科学演習」を平成17年度より導入し、前期課程1年次学生を対象として開講しています。
 あいまいな部分を多く含む地球環境問題を理解するためには、学生自身による自発的な調査と、他人の意見を聞きながら自分の考えを形成していく能力が不可欠です。
 この科目では、受講学生による教員へのヒアリングやインターネットによる調査、少人数のグループ討論とディベートを取り入れ、学生の主体的学習能力を育成しています。
 
■この情報の掲載元
http://www.kankyo.tohoku.ac.jp/kyoiku.html
 
 

■組織
本研究科は環境科学専攻1専攻とし、基幹講座を中心に学内他部局の協力講座、そして学外機関が担当する連携講座から構成されています。

■基幹講座
都市環境・環境地理学

人間と環境の間の相互関係や、人間による環境資源利用の実態を、フィールドワークを通して把握し、そうした実態を規定する自然・人文の諸要因を多様な地域の場で解明する環境地理学分野と、自然の調整力に調和した資源利用の技術・社会システムの改善を目指す都市環境動態論分野との緊密な連携により、人間の居住空間の持続可能性を追究する教育・研究を行います。

国際環境・地域環境学

環境問題は、一つの国で解決することは不可能であり、地球規模での対策を行うためには、国際社会で国々の連携が必要であり、様々な直面する現代的課題を対象として、法と政治システムおよび経済システム、環境評価等を分析し、また、環境と人間社会の関わりを地域的・民族的特性を踏まえた国際的な環境問題を理解する社会文明学の教育・研究を行います。

太陽地球システム・エネルギー学

地球を構成するサブシステムの相互作用や変動の仕組みを包括的に解明し、大規模複雑系としての地球から個別の機械・システムに至る全ての規模のエネルギーシステムの構築を図るため、サブシステムの働きと変動を解明する独創的な計測技術、数値シミュレーション技術、多種多様な地球環境情報の統合技術の開発を行い、地球における全ての規模のエネルギーシステムの環境調和化と人間活動の地球システムへの影響の評価・予測に関する教育・研究を行います。

自然共生システム学

自然と共生し得る効率的な新しい環境バイオ関連技術の創生を図るため、バイオ関連技術等を有機的に連携し、生物プロセスをより高度に利用することによる新しい環境モニタリングシステムの構築、環境関連産業の基盤技術の開発に関する教育・研究を行います。

資源循環プロセス学

製品の原料から廃棄に至る全サイクルで環境負荷を解析し、プロセス技術を共通の土台として、農学、資源学、化学、材料学等と関連する各分野の連携により、理想的なリサイクル社会の構築を図り、人類社会にとって最も効果的なプロセス技術の開発に関する教育・研究を行います。

環境創成計画学

ライフサイクル評価に基づいた環境創成計画により、環境負荷が小さくて環境に適合する機能材料の開発、環境調和型の機能性素材および材料の合成及びマネジメントまで含め、従来のコスト評価に代わる新しい価値観を創出する総合的な教育・研究を行います。
  
環境政策技術マネジメントコース

企業や行政が、環境・社会・経済的にバランスよく、持続可能な成長を実現させるためには、時代の潮流を的確に捉え、しかるべき将来展望を描き、顧客・市場・市民の要求にいち早く応える戦略の実行と技術革新が欠かせません。ここでは、国内外の最先端講師陣により、今後の戦略立案において、高度な環境経営ノウハウと最適な技術ソリューションを自ら企画し、推進できる人材育成を目指すともに新しい環境要素の教育を行います。
  

■協力講座
地殻環境システム創成学

地殻環境システムに関する様々な知識と技術によるエネルギー循環の達成を目指すため、環境情報学、地殻エネルギー抽出学、地殻複雑系設計学の各分野により、地球深部の利用、クリーンエネルギーの一つである地熱開発、再生可能エネルギーの熱の流れに関する基礎的な知識と技術に関する教育・研究を行います。

東北アジア地域社会論

東北アジアにおける環境と社会との相互関係を理解するためには、それぞれの地域における歴史と、現在みられる社会文化・政治経済の関係を動態的に捉える必要があります。歴史的に形成された環境認識・利用、資源分配のあり方と、その背後にある社会規範・制度・国家の関わりを解明し、同時に現在の開発・環境政策と社会との相互影響の分析を行うため、文献史学・社会史的方法論に人類学・政治経済学的手法を交えた教育・研究を行います。

東北アジア地域文化論

文化及び自然的多様性に富む東北アジア地域においては、諸々の民族・言語・地域集団が、さまざまな自然観を発展させてきました。その諸相は、文学・思想さらに言語文化と歴史のダイナミズムに刻み込まれています。言語学・文献学・歴史学的手法に、東アジア・内陸アジアを中心とした地域軸を交差させながら、人と環境の関わりにおいて文化の基層を構成するこれらの諸領域を分析すると同時に、その歴史的変遷を解明するための教育・研究を行います。

環境材料物理化学

それぞれの材料が持つ物理的機能ならびに化学的機能を正確に把握し、全く新しい概念の新機能性素材を開発するため、環境負荷を与えない方法による材料創製法の開発、さらに、利用後の材料を完全循環させる資源の有効利用法に関する教育・研究を行います。

環境システム材料学

環境に調和した社会の構築のためには、環境融和型の新しいシステムを用いた材料創製が不可欠であり、自然のプロセスを模倣、すなわち環境に負荷を与えない材料創製のシステムを開発し、新しい産業基盤となるシステムの技術開発に関する教育・研究を行います。
  
■連携講座

本研究科では、国内外において最先端の研究を行っている学外の機関が担当する連携講座を設置します。 各連携講座は、本研究科に属する1講座もしくは複数の講座とプロジェクト型研究を行うことを想定しています。
  
環境適合材料創製学(新日本製鐵株式会社)

新しい持続可能な、環境適合型素材を利用した産業と社会システムを構築するためには、素材創製のプロセスから見直さなければなりません。 本講座では、金属材料を中心とする様々な環境適合型素材の創製技術に関する教育・研究を行います。

地球環境変動学(国立環境研究所)

・地球規模の大気環境変動に関わる大気化学成分の分布や経時変化を計測する観測技術と、地球温暖化を含めたグローバルな大気環境変動解析に関する研究と教育を行います。

・人工衛星や航空機、船舶を用いた大気成分や雲、エアロゾルの観測技術、地上からの各種の計測技術について、南極や北極、シベリアなど世界各地における具体的な観測事例に基づいて観測原理、データ処理アルゴリズム、データ解析ならびにその解釈を通して地球規模での大気環境変動の原因究明に向けた研究と教育を行います。

環境リスク評価学(産業技術総合研究所)

環境を経由した有害化学物質の人や生態系への影響を把握する上で、環境リスク評価によるアプローチが不可欠です。本講座では、土壌や地下水のような地圏環境におけるリスク評価手法の開発、生態系を含む環境リスクの評価に関わる事例検討、リスク評価に必要な要素技術の開発や基礎データの取得、リスクの軽減・回避などの管理手法、さらにはリスクコミュニケーションの方法論に関する教育・研究を行います。

バイオエコマネジメント学(電力中央研究所)

環境との調和がとれた持続的発展が可能な社会の形成に貢献するため、食糧資源、バイオマス資源、生物学的多様性など生態と環境の関わりについての理解を深め、生態学的な観点から温室効果ガスの削減を含めた環境マネジメントについての研究・教育を行います。
  
■寄附講座

企業と連携し、研究成果を社会に発信する分野です。
2004年から同和鉱業株式会社(DOWAホールディングス株式会社)による講座が、2008からJAPEXによる講座が設置されています。
  
環境物質制御学(DOWAホールディングス株式会社)

環境を汚染するあるいは環境の生態系を破壊する原因となる諸物質の除去や分解による処理は、喫緊の課題です。 本講座では、これらの処理・処分に関して水熱系の利用を中核としています。廃棄物を資源とみなし、高度の機能性材料に転換し、同時に環境中での汚染物質の挙動を把握しながら汚染現場での浄化処理する技術開発を行い、これら物質制御に関する教育・研究を行うと同時に企業と積極的に連携して事業化をも目指しています。

エネルギー・セキュリティ学(JAPEX)

世界的なエネルギー需要の増大と地球温暖化等の地球規模の環境問題を、工学および社会科学の観点から俯瞰して、日本を含むアジアのエネルギーと社会との関わり、環境調和型の新たな社会構築のありかたを教育、研究する。また地球環境と調和した社会の持続的な発展のための化石エネルギーおよび再生可能エネルギーの生産技術に関する教育と研究を行う。工学および社会科学分野を融合させて、日本とアジアのエネルギーの安全保障に関する学際的な教育と研究を行います。

 
■この情報の掲載元
http://www.kankyo.tohoku.ac.jp/soshiki.html